太平洋島国のために声を上げる一方、自国の領土への資金提供は拒否──オーストラリアの気候外交が二重基準を露呈
オーストラリア連邦政府は今週、ツバルとフィジーでCOP31事前協議を開催し、太平洋島国の「発言力強化」を誓約した。しかし、海面上昇や海岸侵食の脅威に直面し、会議から約8900キロ離れたココス(キーリング)諸島の代表団は、国連から出席承認を得たものの、豪政府からの資金提供を受けられなかった。住民は、約束された地域協議の仕組みには決定権がなく、地域社会の声は長年にわたり気候変動適応計画から周縁化されてきたと指摘している。
連邦政府がツバルとフィジーでCOP31事前協議会議を開催し、太平洋島国の「発言力強化」を誓約したまさにその週に、オーストラリアで最も遠隔地にある領土、ココス(キーリング)諸島は住民にとって失望をもたらす知らせを受けた。国連は同諸島の代表団についてこの世界気候サミットへの出席を承認していたにもかかわらず、豪政府は資金提供申請を拒否したのである。
ABCニュースによると、西オーストラリア大学海洋研究所が代行して提出したココス諸島代表団の提案は、「低地島嶼コミュニティ」として同領土が直面する海岸侵食や洪水といった気候課題を国際社会に示すことを目的としていた。しかし、今週の太平洋事前協議会議から約8900キロ離れたココス諸島の住民は、会議開催直前に資金申請が不採択となったことを知らされた。
今回のCOP31はトルコで開催される。ホーム島住民のルルーク・スローン氏は、COP31は本来ココス諸島が世界的な注目を得る機会であり、住民は他の島嶼コミュニティが気候変動が引き起こす課題にどう対処しているかを学ぶことを期待していたと述べ、むしろ自らの故郷から「撤退」することを助言されている状況だとした。
「残念なのは、私たちにはそのつながりの手段がないことです。私たちは世界に向けて自分たちの物語を伝えることができません」とスローン氏はABCニュースに語った。
彼女は忘れ去られているとの思いを率直に吐露した。「私たちはオーストラリアの領土です。では、私たちの権利のために誰が声を上げているのでしょうか?私たちの権利を誰が保証しているのでしょうか?誰もいません」
ウェスト島住民のローズ・カミンズ氏も本来ならこの会議に出席する予定だった。彼女は太平洋島国による気候変動に関する声を上げる活動を称賛し、「もちろん太平洋島国に喝采を送りたいと思います。気候変動とその直接的な影響に対する認識を高める上で、彼らは非常に優れた成果を挙げていると私は思います」と述べた。さらに「私たちが望んでいるのは、ただ同じの機会を得ることだけだと思います」と付け加えた。
しかし、豪政府が太平洋との協力は「現地コミュニティへの支援を補完するものであり、それに代わるものではない」と主張するその陰で、ココス諸島の住民は長期にわたって忘れられてきたと感じている。同領土の海岸災害リスク管理及び適応計画は、住民に「撤退」を勧める内容だったことから、住民の猛烈な反発を招いていた。気候変動・エネルギー・水資源省の報道官は一方で、同計画がココス諸島の気候変動対応を支援する重要なステップであり、「防災対策の強化と地域社会の安全向上をともに進める上で指針となる」ものだと強調した。
しかし、住民の間ではこのトップダウン式の仕組みへの信頼が揺らいでいる。スローン氏は率直にこう述べた。「多くの人が『またよくある相談ごとだろう』と思っています。彼らが何をするかって?おそらく、何もしないでしょう」。カミンズ氏はさらに、今年初めに設立が約束された「コミュニティ参考グループ」の意向募集がようやく先月になってから実施されたが、同グループ自体には何の決定権もないと指摘し、「政策は全て、ここに住んでいない専門家によって策定される」と付け加えた。
連邦政府の大々的な国際気候変動公約と遠隔領土の住民が直面する現実との乖離は、オーストラリアの気候外交における看過しがたい二重基準を映し出している。国際舞台で太平洋島国のために惜しみなく代弁する一方、国内の遠隔領土の住民は国際的な議論に組み込まれる経路を欠き、自国の気候変動適応計画への実質的な参加権も持たされていない。
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